近頃プロテインバー、プロテインドリンク、高タンパク食品をよく目にするようになり、健康や美容のために意識している方も多いと思います。今回はそんなタンパク質について効果的に安全に摂るための基礎知識を解説します。
たんぱく質の主な働きとは?
たんぱく質の主な働きは、体の組織(筋肉、血管、臓器、髪、爪など)を作り、体の機能を維持するための物質(血液、ホルモン、酵素、抗体)の材料となり、さらに炭水化物や脂質と同様にエネルギー源としても使われています。食事で摂ったたんぱく質は消化されるとアミノ酸という最小単位に分解され血中に流れ、必要に応じて体の各部位で機能するたんぱく質として合成されています。たんぱく質不足があると細胞のターンオーバーが乱れ老化し、体の組織が壊れたり、機能しなくなります。例えばむくみや皮膚、髪、爪のトラブル、メンタルの不調、解毒が機能しない、なども低タンパクが原因かもしれません。
一日に必要なたんぱく質の量はどの位?
大まかには体重 x 1g、筋トレをする方やストレスの多い方はx 1.6gまでと考えて下さい。例えば60kgの人の1日のたんぱく質必要量は60gです。ただし、このグラム数はそのまま食品の重さにはならないので注意が必要です。赤身肉100gで20g、卵1個、牛乳200g、豆腐100g、納豆40g各々で6〜7g、ご飯150gで3.8gのたんぱく質が摂れます。
たんぱく質は消化吸収が難しい食品で、一度に多く摂ると胃腸への負担が大きく、未消化のまま腸に届きトラブルを起こします。過剰に摂ると肝臓、腎臓への負担も大きくなります。それでも、たんぱく質の合成はアミノ酸濃度が上がることで始まるため充分な摂取量が必要ですし、逆に不足していると分解が始まってしまうので、1日3食20〜30gずつ摂ることをお勧めします。目安として毎食手のひらサイズのたんぱく質を摂る事を目指して下さい。特に朝は前日の夕食から時間があいているため、たんぱく質の補給が大切です。夜の睡眠ホルモン、メラトニンも朝のトリプトファン(必須アミノ酸の一つ)摂取と日中のセロトニン合成が充分にされることで変換がスムーズにいきます。
どんなたんぱく質を摂れば良いのか?
主に動物性はアミノ酸バランスがよく、合成しやすい特徴があります。植物性はゆっくり吸収されるため血中アミノ酸濃度が保たれやすく、分解を抑制する方向に働きます。様々な食品をバランスよく摂ることで、いろいろなアミノ酸や栄養素を補うことができます。鶏肉は低脂肪で高タンパク、牛肉は鉄やビタミンB12、豚肉はビタミンB1、魚はビタミンDやオメガ3を摂ることができます。豆類にははマグネシウムや繊維が多く含まれ、米からは糖質も摂れます。
プロテインドリンクは牛乳由来のホエイと大豆のソイがあります。ホエイはアミノ酸スコア100で吸収率が高く、筋肉合成を強力にサポートします。一方ソイプロテインは吸収が遅く、満腹感が持続するので、ダイエットや就寝前に最適、イソフラボンで女性のホルモンバランスを整える効果も期待できます。ただし、プロテインドリンクは咀嚼しないために消化されにくく、胃腸が弱い方は胃もたれやリーキーガット、さらにアレルギーなどの危険を伴います。もしもプロテインを飲んでおならが増えたり、皮膚などのトラブルがかえって悪くなっているときは消化されていないことが原因と考えられます。また余ったアミノ酸の代謝は肝臓、腎臓への負担をかけるため、プロテインドリンクはあくまでも食事の不足を補うものとして利用するのが良いでしょう。
お肉やお魚があまり食べられない、胃腸の弱っている方にお勧めは味噌汁やボーンブロス、魚粉です。だし汁はたんぱく質の量は少ないですが、すでにアミノ酸(たんぱく質が分解された最小単位)になっているので、消化の負担なく小腸から直接吸収できます。ボーンブロスは特にコラーゲン由来のたんぱく質が分解され、ゼラチン(長い分子)やペプチド(短い分子)になっているため消化吸収がスムーズです。コラーゲンは関節、腸粘膜、皮膚のサポートしてくれます。魚粉は煮干し、鰹節などを乾燥させて粉末にしたもので、固形の魚より消化が早く、アミノ酸バランスが良く、骨ごと粉砕した栄養でカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも含み、オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)も摂れます。
最後にたんぱく質の代謝には充分なATP(エネルギー)が必要です。まずは1日に必要なエネルギー源の炭水化物を補えているかをチェックしてみて下さい。エネルギー不足が起こっていると、たんぱく質を分解してそれをエネルギーに変えるという代謝活動が起こるため、筋肉や消化酵素の減少にも繋がります。充分な炭水化物を摂った上で、1日3食たんぱく質を意識した食事を心がけてみて下さい。
OA分子栄養学アドバイザー、OAオーソモレキュラーダイエットアドバイザー シャルハーゆりか