現代はインターネットやスマホで大変便利な時代になりましたが、情報過多、仕事と私生活の境界が曖昧さ、社会の変化の速さに追いつこうとする日々から、心が休まる時間はむしろ減っているように感じます。昔は飢餓や感染などの生存のストレスと戦ってきましたが、現代社会は慢性的なストレスからうつ病や不安障害が増えています。長期的なストレスは心血管系、消化器系、免疫系などあらゆる病気の原因となります。今回はストレスに強く生きるために栄養面からできる事について考えてみます。
ストレスが体に与える影響
私達の脳はストレスを感じるとアドレナリンやコルチゾールというストレスホルモンを出して、体が戦闘モードに入り、ストレスを和らげます。具体的には血糖値を上げ、脂肪をため込み、筋肉から糖新生でATPというエネルギーを作り出します。また交感神経優位になることから胃腸機能が低下、活性酸素が大量発生するためATPを作るミトコンドリア機能が低下します。このようなストレス状況で甘いものやチップス、バーガー(砂糖、塩、油)などを無性に食べたくなる経験はないでしょうか。これらいわゆるジャンクフードはカロリーは高いものの栄養価が低く、栄養不足や代謝低下からかえって体調不良になることがあります。ストレス時に摂るべき栄養素を見ていきましょう。
マグネシウム、カルシウム
ストレスがあると腎臓の再吸収力が低下するため尿中にミネラルが多く排出されます。マグネシウムは400以上の代謝に関わるミネラルで、マグネシウム不足になると肩こりや筋肉の痙攣、精神のトラブル、動悸や不整脈などストレス反応が過剰に感じられます。カルシウムはマグネシウムとバランスが大切で神経や睡眠を整える意味でも意識して摂りたいミネラルの一つです。納豆や小魚などはどちらもバランスよく摂れる食品です。
たんぱく質とビタミンB群
たんぱく質が不足すると神経伝達物質が作られなくなりよりストレスを感じ易くなります。神経伝達物質とはセロトニン(心を安定させるホルモン)、GABA(脳を落ち着かせるホルモン)、ドーパミン(やる気ホルモン)、アドレナリン(緊急対応ホルモン)、などです。ストレス時に大切なセロトニン、たんぱく質からの代謝には先のマグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンB群、ビタミンDどれも欠かせません。お勧めは豚肉です。たんぱく質に加えて代謝を回し、神経伝達物質を作るビタミンB群が豊富に含まれています。大豆は植物性たんぱく質、ビタミンB群に加えマグネシウムも摂れますがビタミンB12が含まれません。ベジタリアンの方はサプリを利用されると良いでしょう。
ビタミンC、ビタミンE
どちらも酸化ダメージから身を守り、疲労や肌荒れを防いでくれます。ビタミンEはアボカドやアーモンドから、ビタミンCはパプリカやキウイ、いちごなどから摂りましょう。ビタミンCをしっかり摂りたい時は思い切ってサプリで1000〜3000mgを摂ってみてください。
炭水化物
糖が不足しているとそれ自体も体にとってはストレスです。しかし糖の過剰摂取はその後の急降下で低血糖症状が出たり、情緒不安定に繋がります。砂糖のような血糖値を急上昇させる糖ではなく、消化に時間のかかるデンプン質の糖(お米、じゃがいも、小麦粉)を1日3回しっかり食べて血糖値を安定させましょう。
私のお勧め
ストレス時こそお肉とその倍の量のお野菜をたっぷり摂り栄養を整えてストレスに強くなりましょう。まずは味噌汁やボーンブロススープなどの温かい飲み物でホッとして交感神経を和らげてみてください。特にこの2つはたんぱく質が分解されたアミノ酸の形になっており胃腸の負担も少なく、ミネラルも摂れる優秀な飲み物です。夜にはエプソムソルト(硫酸マグネシウム)の入浴剤です。お風呂に浸かることでもリラックス効果がある上にたっぷりのエプソムソルトはマグネシウムの経皮吸収で夜の睡眠の質を上げることができます。
OA分子栄養学アドバイザー、OAオーソモレキュラーダイエットアドバイザー シャルハーゆりか